ビラーンの医療と自立を支える会(HANDS)


先住民族中退児童のフリースクール(モスン教育)
(財)新潟県国際交流協会助成


2006年1月報告
「名前」を持つことの大切さを知る − 現地責任者チェリルさん1/17付メールより -

 今とりかかっているのは、卒業を前にした6年生の学習経歴と正しい名前の確認です。以前
に受けた教育とモスン学校在籍を合算したものが、教育省の基準に照らして初等教育終了と
認証されなければなりません。しかもその際には正しい綴りでの記名が必要です。先住民族の
場合、ほとんどの子どもが出生届けを出していません。名前もその時々で好きな名前を使った
りしています。これが将来カレッジに入る時、就職する時に障害となることを知らないのです。
今回の教育省への書類提出は、名前確定の絶好の機会であり、その作業を進めているところ
です。
 
 また、先住民族の土地権を守るTILT(Tribal Indigenous Land Trust)担当のモスン教師2
名が抜けたので、代わりを探すのが大変でした。1名は臨時にお願いできました。しかし、農業



指導兼任ツバツのヌガブットの代わりはおらず、バサグ
ノフォークのエレノアがしばらく兼務します。彼女は今、原
生種の陸稲保存のため、地域の母親たち約300人にそ
の栽培を指導していて忙しくしていますが、頑張ってくれ
るでしょう。

 将来のモスン教育自主財源として有望な、山羊飼育に
関する嬉しいニュースです。今6匹が妊娠中で2ヵ月後に
出産予定です。


2005年10月報告
 チボリ語併記の教科書を使用し、どこまで理解できた
か。進級するか、飛び級か、もう1年学び直すか。より
良い授業方法を考えるためにも、モスン教育で学ぶ子
どもたちの学力を評価しなければなりません。常識、歴
史、地球科学、環境、英語。シェリルさんはWagu(姉)と
呼ばれる先生たちの評価も行うため、大忙しです。モス
ン教育は、児童、保護者、教師、教科書執筆者全員の
チームワークで成り立っています。
 


2005年7月報告
 
 政府主導の画一的教育では、民族の言葉しか知らな
い少数民族の子どもたちは、小学校に入ったその日か
ら、ハンディを背負います。言葉だけでなく、多数派の
キリスト教的価値観や文化を反映した教材で学ぶ中
で、少数民族であることを恥ずかしく思う子どもも出てき
ます。中退・未就学が増えている特に貧しい2地区で始
められたフリースクールの試み「モスン教育事業」は、
今年3年目を迎えました。チボリ語併記で、民族色豊か
な挿絵付きブックレット60種の発行は過去2年の事業
成果の一つです。


トップへ
戻る