ビラーンの医療と自立を支える会(HANDS)


先住民族の村における持続可能な森林開発事業
緑の募金助成

2007年10月報告
貧困→焼畑→原生林破壊の悪循環ストップ!−ダグマ山系での緑の募金事業−
 2006年9月に(社)国土緑化推進機構の緑の募金交付金を受けて始めた「先住民族の村ブ
ロコン及びブハガンにおける持続可能な森林開発事業」が8月末に完了しました。面積・苗木
数などの成果をご報告させていただきます。
■ 入会地(急傾斜の共同使用山地) 15ヘクタール
   在来樹種(フィリピンマホガニー・ナボル・ナト)苗木 約1万本
■ 対象住民35世帯の緩傾斜地 35ヘクタール
   果樹苗(ドリアン・ランブタン・ランソネス) 合計 1,750本
   バナナ  2,100本
   コーヒー  2,000本
   アバカ  2,000本
   間作として陸稲、ピーナッツ、コーン栽培


2007年7月報告
雨は必要、だが雨季は動けず ブハガン・ブロコンのアグロフォレストリー足踏み
 緑の募金交付金を受けて実施中のスルタンクダラト州バグンバヤン町のアグロフォレストリ
ー事業が8月末の事業終了を前に足踏み状態です。
  植林ボランティアを募集した6月のブハガン訪問も現場までは無理とのことで、ブラクールの
学校農園で植樹しました。







ブラクールへの道で3回立往生した車。会員小林さんも脱出に協力。右はコーン満載のトラックです。
 雨季で土壌流出が進む急傾斜地での作業は地元住民でも危険です。  
 7月中旬、ようやく植え付けができそう、とのメールがPFPより届きホッとしています。

 早めに播いた土留め作物フラミンジャは順調に伸びています。雨季でも土が流れない山で果樹苗もしっかり根付いてくれるものと期待しています


2007年1月報告
知らずに破壊していた原生林の修復 ブハガンとブロコンの森と共生プロジェクト
 47号で「緑の募金」交付決定とお知らせしたダグマ山系スルタンクダラト州の二つの村では、
先祖伝来の土地保証(CADC)を受けた山で、森と共存して生きる道を自らの手で切り開くため
に、力強い一歩を踏み出しました。

 緩斜面で果樹と食用作物栽培を行うアグロフォレストリー50ヘクタールは、ブロコンで30家
族、ブハガンで20家族の受益者が決まりました。果樹や樹木が育つまでの収入源はジャガイ
モなどの間作です。両村とも市場へのアクセスは困難で馬が唯一の輸送手段ですが、ジャガイ
モはすでに換金して貴重な収入となりました。

 ワシなど野生動物最後の聖域といわれている原生林での焼畑もやめました。水、野生動物、
薬草、あらゆるものを育む貴重な原生林と共生する方法を学び、資金と技術が供与されたか
らです。PFP農業スタッフ2名が、技術指導に当たっています。


2006年10月報告
マノボ・チボリの山で苗木を植えませんか
    ― 山で生きる住民の選択に「緑の募金」交付 ―

 前号でご紹介の原生林を守りながら山で生きる道を探る「先住民族の村ブロコン及びブハガ
ンにおける持続可能な森林開発事業」に対して、9月初めに「緑の募金」の交付決定をいただ
きました。住民の作業時に提供する昼食代が助成対象外だったため、決定額は申請の約
40%でした。もともと国内緑化運動から始まった(社)国土緑化推進機構「緑の募金」の理念で
は、作業はボランティアを想定しています。一方で日常的に十分食事を摂っていない先住民族
の村では、バヤニハンという伝統的共同作業の場合も昼食は出すことになっています。

 交付額減額に対しては、事業地域を100ヘクタールから50ヘクタールに減らし、昼食代はPFP
と当会HANDSが負担することで、ほぼ当初の計画・目的のまま事業を実施することにしまし
た。現地でもすでに何回か住民集会が開かれ、植栽予定地の草刈、作業通路作りや苗畑準
備もまもなく始まります。

 育苗場から移植するのは来年の雨季開始を待ちます。当会もこれにあわせて5月下旬に有
志で植林作業に参加する予定です。本事業地域スルタンクダラト州はHANDSの他の事業地域
と同様、渡航の是非を検討するようにという外務書の安全に対する注意喚起が出ている地域
です。ツアー公募はできませんが、会員の皆様には本通信4月号でご案内させていただきま
す。

 本事業地域でも数年後には果樹が実を結び山肌が少しずつ緑に変わっていくことを夢見て、
住民、PFPと力を合わせて事業の適正な実施に努めたいと思います。


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