NPO法人 ビラーンの医療と自立を支える会(HANDS)

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ミンダナオ島南部先住民族の伝統織物
ティナラク織とナバルタビ織について

 ティボリ民族には、ティナラク、ビラーン民族には、ナバルタビと呼ぶ、伝統織物が
あります。
 いずれも、繊維は、アバカというバナナと同種のバショウ科の植物の茎(植物学上
は葉鞘)を使い、緯糸は黒一色で、経糸に括り染めで模様を出す縦絣で、腰機で織ります。
染料として、黒にはキナラムという木の葉を、赤にはロコという木の根を使うことも
共通していますが、どちらかというと、柄がはっきりしたティナラクに対して、ナバルタビは
細かな模様が多いなど、デザインは多少異なっています。

 張りがある生地は、使い込むうちにやわらかくなり、かつては、ティボリ民族の
男性はベストや半ズボン、ビラーン民族の女性は、巻きスカートなどの日常着として
使用していました。
 今も、伝統的村まつりや卒業式などで着用されるほか、ベストを普段着として
愛用している長老の姿も目にします。

 ティボリ民族が人口の約5割を占め、ティナラク織がよく保存継承されているレイク
セブ町には、織を副業とする女性たちが100名近くいると推定されます。
 ナバルタビ織は、ポロモロック町のアムグオなどで、数名の織り手が技術を継承し
ていますが、高齢化が進んでいるため、当団体は、後継者育成の支援もしています。
 また、ティナラク織、ナバルタビ織、及びその縫製品の日本での販路拡大を通じて、
伝統技術の保存と女性の経済的自立を支えています。




軽くて丈夫と、高齢者に人気の
ティナラク織バッグ


夏帯素材としても好評の
ナバルタビ織


卒業式で、ティナラク織ベストを
着用するレイクセブ町の小学生


アバカ (Abacca)について

ティナラク織の伝承

ティナラク織・ナバルタビ織の工程

伝統織・縫製品一覧



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