現地報告
ビラーン通信69号(2012.04.25)より抜粋
母子保健研修、鍼灸研修、妊産婦検診・・大忙しのPIHS
2012年3月の滞在中、PIHSのふたつの研修に同席しました。ひとつは、主に初めて研修を受ける人向けの母子保健研修(ゼネラルサントス市内のPIHS事務所で開催、3日間)。もうひとつは、以前、鍼灸研修を受けた人向けのスキルアップ研修(ティナガカン村で開催)です。
母子保健研修には、トゥヤン村4名、バロンギス村5名、ルポケン村3名、ティナガカン村1名、シギル村2名の計15名が参加しました。伝統的産婆3名、青年部の2名を含む12歳から69歳まで幅広い層が集まりました。3日間のコースは講師も多岐に渡っています。PIHS以外から大勢の方がボランティアで講義を行いました。
自己紹介が終わり、最初の講義は植民地期以前の歴史です。「えっそこから?」と正直思いましたが、これも現代のフィリピン人女性が置かれている立場や環境を考えるためです。
女性にとって大事な3つのB(Balay=家、Bata=こども、Bana=夫)の健康をどう守るか、参加者から質問や意見を聞きながら、講義は進みます。伝統的産婆が助産師として今後活動を続けるには自治体の免許が必要になります。一定の研修を経て交付されるため、サリパさんも真剣でした。
ティナガカン村では、2008年に行った鍼灸技術のスキルアップ研修です。腕のツボや足のツボの位置と、そこを押すと体のどの部分に効果があるのかおさらいします。ユースを含む10名ほどの出席者がお互いの体をモデルにして、繰り返し実施し、技術を身に付けます。自宅に戻ったら、今度は家族の健康増進のために行うのです。モグサが無くても、医療用のコットンボールとガラスのコップを使って、お灸ができることを学びました。
(報告・九島)
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